寝そべってテレビやスマホを見ていませんか? まさかの疲労骨折に注意!

 やや高齢のお客様がインドメタシン製剤の『スキュータムID』を購入されるさいに、強めの薬で良いか尋ねると、湿布を貼った手首を見せてに、寝転がっててテレビを見ていて腰を痛めたとお話しされた。
 今使ってる湿布は何か、病院に行ったのかを質問してみても、笑って教えてもらえなかった。
 恥ずかしく思ったのかもしれないが、痛みが長引いてるようだと疲労骨折していることもあり得ると伝えた。
 疲労骨折というのは、強い力が加わってポッキリ折れる骨折と違い、骨の同じところに小さくても繰り返し力が加わることによりヒビが入ったり、そのヒビが大きくなって損傷してしまう症状。
 スポーツをやってる人が同じ動作を繰り返すことで起こるとされているが、無理な同じ姿勢ということでは、寝そべってテレビを見たり本を読んだりするのも同じこと。
 歳を取って身体の柔軟性が失われていると、なおさら起きる可能性は高くなる。

 お客様がサリチル酸製剤の『サロンパスAe』をレジに持ってたさいに弱めの薬であることを伝えると、『サロンパス』と較べて強い薬と思って選んだというため、確かに局所麻酔成分が加わってる分、あながち間違いではないことをお話した。
 ただし、そもそもサリチル酸には直接的な鎮痛効果は無い。
 ごく弱い刺激を患部に与えることで神経を混乱させて、痛みを誤魔化しているだけ。
 痒いところを叩くと痺れて、痒みが気にならなくなるのと同じである。
 一方、その弱い刺激にはマッサージ効果があり血行を良くするから、肩こりや筋肉痛などには適している。
 また、お客様は肌が弱いから使ってるというため、刺激性という点では肌に優しい訳ではないことと、薬の強さがかぶれに関係してるとは限らず貼る前に患部を清浄する方が大事とお話をした。
 かぶれるかどうかは成分の問題より、汗やホコリを巻き込んだまま長時間密封されることが原因とされ、お風呂上がりでも汗はかくから、貼る前に患部をタオルなどで拭き取っておくのが対策となる。
 それから、外用消炎剤は皮膚疾患の薬と同じく、強い症状には最初に強めの薬を使い、痛みが弱まるのに従って薬も弱いものに乗り換えていく「ステップダウン方式」が良いことを説明したところ、そもそも『サロンパスAe』を選んだのは予算の問題でもあるというため、同じサリチル酸製剤で塗るタイプの『トクホンチールOX』を紹介すると、一緒に購入された。
 でも結局、患部の場所や状態については教えてもらえなかった。

【第3類医薬品】トクホンチールOX 82ML 5個セット
トクホン

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