市販薬は剤形が変われば中身も変わる!? 同じジャンルの同じ剤形でも、中身が違う薬があります

 お客様が、『バファリンルナJ』と『小中学生用ノーシンピュア』を見較べていたので気にかけていたところ、前者をレジに持ってきたためヒアリングしてみると、12歳の子供が親知らずのせいか歯痛だとのことだった。
 歯痛ともなると、鎮静成分の入っている『小中学生用ノーシンピュア』の方が効くかもしれない一方で、鎮静成分のリスクもお話した。
 一般的に「眠くなる」と解釈されることのある鎮静成分は、いわば脳の認知機能を落とし、だからこそツライ痛みには有用なものの、薬物依存の入り口にもなりかねない。
 とはいえ、痛みを我慢するストレスが免疫機能を狂わせたり体力を奪ったりしてしまうから、『バファリンルナJ』でイマイチなようであれば乗り換え先にするよう伝えた。
 また、患部では痛みの伝達物質が継続的に生産されてしまい、両者の主成分であるアセトアミノフェンは阻害する作用が弱いため、氷水か保冷剤を頬に当てて冷やす方法も教えた。
 強力に冷やせば身体機能が低下し、そうすれば痛みの伝達物質を生産する機能も低下させることができる。

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 2人の子供を連れたお客様が『ムヒSクリーム』を手にして、子供たちがポケモンに興味を持っていたようなので気にかけていたところ、『ムヒSクリーム』をレジに持ってきたため弱める薬であることを伝えると、液体は子供たちがしみるのを嫌がるとのことだった。
 しかし、『ムヒSクリーム』と『液体ムヒS』とでは剤形だけでなく処方内容が大きく異なり、後者のほうがステロイド剤が入ってる分だけ炎症を抑える効果が高い。
 液剤が苦手ということなので、ステロイド剤の『ムヒアルファSIIクリーム』を紹介し、そちらをお買い上げいただいた。
 この、剤形が変わると中身が違うというのは胃薬などにもあるから、気をつけるよう伝えた。
 また、同じ液剤の『ポケムヒ』と『プチウナ』でも、後者の方には弱い局所麻酔が入っている分だけ効き目が良いということがある。
 分からなければ、ぜひ相談してもらいたいところ。

 お客様から『ムヒSクリーム』よりも強いのをと注文を受け、『ムヒアルファSIIクリーム』を案内したところ、『ムヒアルファEX』の方が目に入ったようで、『ウナコーワエースG』とも同じく、『ムヒアルファSIIクリーム』より強めのステロイド剤が入ってることを説明した。
 市販の虫刺されの薬の中では、一番強いから頼りになる。
 そして、同じ処方内容なら液剤とクリーム剤とを比較した場合、クリーム剤のほうが効き目が上と考えられることを説明すると、『ムヒアルファEX』の両方を購入された。
 液剤は広い患部に塗り拡げるのに便利で、クリーム剤は皮膚のバリアを破って浸透しやすいように調整されているのだ。
 痒み止めの塗り薬には軟膏もあり、ベトつくのを嫌がる人がいるが、ベトつくことによって皮膚同士や服などと擦れるのを防ぎ、絆創膏の役割をしてくれるから、剤形による使い分けは覚えておくと良い。

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