お客様が『イソジンうがい薬』を購入されるので、現に喉が痛む場合は避けた方が良いことと、予防には水道水で充分なことをお話したところ、「大丈夫よ」というお返事だった。
しかしお会計を済ませてから、頼まれ物で、本人は使うと喉が痒くなると言ってることが分かった。
さっきの「大丈夫」とは、一体何だったのか……。
人間に痒みを感じる神経は無くて、痒みというのは弱い痛みのこと。
主成分のポビドンヨードは刺激物だから、炎症したり荒れたりしている喉をかえって傷めている可能性と、殺菌力が強いため身体を守る菌も倒してしまうことを本人に伝えるようお願いし、どうしてもうがい薬を使いたい場合に、もう少し身体に優しいセチルピリジニウム塩化物水和物の『コルゲンコーワうがい薬』を紹介した。
お客様が、咳止め薬や去痰剤、喉の薬を次々と見ていたので気にかけていたところ、『新コンタックせき止め持続性』をレジに持ってきたためヒアリングしてみた。
すると咳き込むほどではないそうなので、患部を潤す『ストナ去たんカプセル』を紹介すると、夜中に咳で目が覚めるというお話だった。
そうであれば『新コンタックせき止め持続性』は適応することをお話して、しかし一日2回飲まなくても良いはずなので、夕方の1回だけ服用することと、寝る前に一口水を飲んでおくか枕元に飲み物を置いておくよう勧めて、お買い上げいただいた。
主成分が非麻薬性とはいえ、効果の現れ方は麻薬と同じく身体機能を低下させて咳を抑えるから、だるさを感じたり気力が弱まって昼間の活動に支障をきたすことが考えられるため、使用する回数は少ないに越したことはない。
特に、売り文句でもある12時間と長く効くのが仇になる可能性がある。
副作用が、身体機能の低下によって保水機能まで狂ってしまい体内が乾燥すると、便秘を引き起こしたり、それこそ今度は咳の原因となってしまう。