やや高齢のお客様から『コムレケア』を求められて売り場を案内し、『芍薬甘草湯』と同じことを伝えると、何かで腓返(こむらがえ)りに早く効くと知ったそうな。
確かに、文献によっては服用して10分くらいで効いてくるとされているものの、そんなに早く吸収されるはずがないという指摘もあって、効果の早さについては実のところ良く分からない。
ただ、芍薬は痙攣を抑えたり気持を落ち着けるのに役に立ち、甘草は炎症を防ぎ、やはり緊張を緩和する作用があるのは確か。
腓返りの原因は複数あるため、お客様に水分不足や筋肉の疲れを例にヒアリングしても答えてもらえず、心臓が悪くなってるケースもあるとお話したところ、痛くなるのは向こう脛で原因は分かってるとのことだった。
お話を聞いていただけないと判断し引き下がりお買い上げいただいたけど、向う脛が痛む原因ってなんだろう?
むしろ、そっちを知りたかった。
後で調べてみたら、スポーツなどで引き起こされる「脛骨疲労性骨膜炎」というのがあって『芍薬甘草湯』が適応し、予防として先に飲んでおく方法もあると分かった。
なるほどー(゚д゚)(。_。)(゚д゚)(。_。)
お客様も、そうだったのかな?
ちなみに、心臓が原因のケースはレアとはいえ油断はできない。
脹脛(ふくらはぎ)は、血液を心臓に戻すポンプの役割をしており、そこが無理をしているとなれば心臓の血管が詰まっている可能性がある。
実際に、腓返りを繰り返している患者さんが病院を受診したら、心臓の血管が詰まっていて、なんと詰まった血管を回避しようと普通は伸びない場所に細い血管が増えて、なんとか血液を通していたなんてことも。
人体の神秘。
やや高齢のお客様から、「テレビでやってる便秘薬を」と言われても分からなかったが、『スルーラック』のシリーズでマグネシウムが入ってるという話から『スルーラックマグネシウム』を案内し、『酸化マグネシウムE便秘薬』も同じく腸内の水分を集めて便を柔らかくすることを説明をした。
すると、同じ薬が病院で処方されてると分かり、お薬手帳は持っていなかったものの、薬の一覧表を見せてもらうと他にも複数の薬が書いてあった。
そして、『センノシド』も処方されていて、あまり効かないそうで、漢方薬の方が体に良いかと『タケダ漢方便秘薬』(大黄甘草湯)を指して質問されたけれど、『センノシド』と同じく刺激によって排便を促すため、必ずしも体に優しくないことをお話して、腸内の滑りを良くする『麻子仁丸』に近い『オイルデル』を紹介した。
お客様には、商品の写真を撮って良いから、何を使うにしても調剤した薬局にまず相談するよう勧めたところ、本日はお帰りになった。
高齢になると食事の量が減るから、便通が毎日ではなくなるのは当たり前でもある。
ところが、若い頃の感覚で毎日出ないと便秘だと思い込んでしまいがち。
腹痛や苦満感などが無ければ、1週間に2回程度の排便でも構わない。
『センノシド』で大腸の蠕動運動を亢進させても効かなかったとすれば、やはり食事の量が減り、便の量そのものが少なくて出ない可能性が考えられる。
いずれにしても、処方されている薬が効かなかったからといって、安易に市販薬に移るよりも、薬剤師や医師にフィードバックして相談したほうが良い。
それに、病院で処方される漢方薬なら高齢者の便秘向けの『潤腸湯』というのもあるので、病院を受診しているのなら、なおさら頼るべきであろう。