お客様が店内を足早に歩き回ってるので気にかけていたらね「薬を探してる」と声をかけられ売り場を案内したところ、「ソルマックみたいなの」というので『ソルマックプラス』を見せてから似た処方で価格の安い『ハリー胃腸内服液』も紹介した。
ちなみに、『ハリー胃腸薬』という名前の錠剤があるけれど、この内服液とは別物だから、ご注意あれ。
『ハリー胃腸内服液』は胃の働きを助けるのに対して、『ハリー胃腸薬』は『ガスター10』と同じく「H2ブロッカー」と呼ばれる胃酸の出過ぎを抑制、つまり胃の働きをわざと悪くして症状を治める薬。
同じ名前なのに正反対の働きをする訳で、市販薬にはそういうのが珍しくない。
おっと話が逸れた。
お客様には、『ソルマックプラス』に入ってるウコンの効果については、医薬品としての有効性は不明な一方、肝臓に無理をさせるというデータもあることをお話すると、『ハリー胃腸内服液』を購入された。
お会計のときに、『ソルマック』の名前を冠している『ソルマックサキノミ』が指定医薬部外品で、『ヘパリーゼ』の銘柄である『ヘパリーゼスーパー』が清涼飲料水であることを教えると、「コンビニにあるやつ」と妙に納得された。
コンビニでも登録販売者がいる店舗ならば、指定第2類医薬品・第2類医薬品・第3類医薬品の市販薬が置いてあるが、そうでない店舗に並んでるのは、副作用のリスクが低いものの効果もそれなりの指定医薬部外品か、毒にも薬にもならない清涼飲料水なので、明確な目的が有るのであれば、お金の無駄遣いになるかもしれない。
お客様には、液剤は常温で飲んだ方が効果的と伝えた。
多くのお客様の要望で冷蔵ケースにドリンク剤を並べているけれど、人間の腸は体温より低い物を受け付けず、温まるまで胃に長く取っておいて腸に送るのを遅らせるか、反対にサッサと腸を通過させてあまり吸収させずに排泄させてしまう。
可能であれば、お湯割りにして飲むほうが良いだろう。
ただ、製薬メーカーの方でも冷やして飲んだ場合に合わせて味を調整しているドリンク剤があり、常温で飲むと味がキツイこともあるんだよねぇ(^_^;)
お客様から「薬の相談できますか?」と声をかけられ、胃もたれがあり酸っぱい水が上がってきてゲップも出るというため、「降ろす」という意味のある「瀉心」が名前に入ってる『半夏瀉心湯』か、H2ブロッカーと似た働きをするM2ブロッカーの『ガストール』を案内しようと思ったところ、『セルベール』を使って効いた気がしないとのお話だった。
胃壁を保護して胃の働きを助ける『セルベール』は大きく外していないものの、ラーメンを食べるとお腹を下しやすいというためアレルギーかなとも思ったが、油に弱いようなお話も出たため腸の問題かもしれないので、『タナベ胃腸薬ウルソ』を案内した。
消化というと胃を連想しやすいが、胃でやってるのは食べ物をボロボロに崩すことであり、実際に消化するのは腸の役割。
何かの原因で腸の働きが悪くなり消化が追いつかなくなると、胃から食べ物を送ってこないよう堰き止めてしまい、それが胃もたれを起こすことがある。
つまり、胃もたれだからといって胃が悪いとは限らないのだ。
そして、腸で消化する胆汁酸の成分の一つウルソデオキシコール酸は体内を循環しているのだが、それを車のオイル交換のように新しく入れ替えるのが『タナベ胃腸薬ウルソ』である。
その入れ替えのために、『タナベ胃腸薬ウルソ』は1週間程度は毎日服用するのが、他の胃腸薬とは違う点。
お客様は『セルベール』が残ってるというので、継続してみて使い切ってから他の薬に乗り換える方法もあることをお話したうえで、『タナベ胃腸薬ウルソ』をお買い上げいただいた。
お客様が、毎日通して飲むのがネックとは言っていたが、1日1錠だけだからとお話したところ、購入を決められた。
お客様は、シャワーで過ごしてるそうだが入ろうと思えば湯船に入れるというため、シャワーを太い血管の通っている背中側に集中的に浴びて血流を良くする方法を教えて、でも湯船に入ってしまった方が早く症状が楽になるかもと伝えた。
手足を温めると指先まで動かしやすいように、内臓だって温かく血流が良いほうが働きやすいんである。