高齢のお客様が『大正漢方便秘薬』(大黄甘草湯)を手に店内を歩き回っていたお客様がいたので気にかけていたところ、点鼻薬の『スットノーズαプラス点鼻薬』と鼻うがいとではどちらが鼻づまりに効くか質問を受けた。
鼻うがいはテレビ番組で見たらしく、鼻づまりは鼻の奥の血管が炎症して膨らんで起こる症状で、『スットノーズαプラス点鼻薬』は鼻水を止めるのは得意でも炎症を抑えるのは苦手なことを、鼻うがいは鼻炎の原因となる花粉などの異物を洗い流す効果は期待できるものの、あくまで予防だから症状が起きてからでは遅いことを説明した。
点鼻薬を使うのであれば、炎症を抑えるのが得意なステロイド剤を使うほうが有効なこともお話して、『パブロン鼻炎アタック JL』を紹介すると、『大正漢方便秘薬』のみの購入を決められたが、漢方薬の中でも強めな薬であることを伝えたら、以前に『コーラック』が効きすぎて錠数を減らしても何度もトイレに行くことになったとのことだった。
漢方薬は効き目が穏やかと誤解している人がいるけれど、『大黄甘草湯』は『コーラック』と同じ刺激性の便秘薬で、分かりやすくいえば腸を殴りつけて出させるタイプなため、体力が充実し元気な人が、たまたま便秘になってしまった場合に向いている。
お客様には、病院で処方されることのある、水分を集めて便を柔らかくする『酸化マグネシウム』と、便を柔らかくして量を増やす『新ウィズワンα』の他に、植物性油で滑りを良くする『オイルデル』を紹介した。
高齢者は、そもそも食べる量が減っているのが便秘の原因と考えられ、刺激性の便秘薬は一番合わないと考えられる。
お客様の便通は2~3日ほど空くものの、その間は特に苦しくないというため、それが現在のサイクルと考えられることをお話したところ、『オイルデル』に変更して購入された。
若い頃の感覚で、便通が毎日無いと不安になってしまうかもしれないが、苦満感などを感じなければ週に2~3回でも構わないのだ。
ただし、歳を取ってくると苦痛を感じる感覚も鈍くなってしまうから、病院を受診して専門家の話を聞くのも大事なことをお話した。
それから、便座での姿勢は前かがみになった方が良いことも教えた。
人間の身体の構造は、立ち小便はできても立ったままだと大きい方はき出ないように、背をまっすぐ伸ばすと腸の出口が塞がれるようになっている。
だから洋式便座に座ったら、和式便器をまたがる時にように足を台に乗せて上げるか、上半身の方を胸が膝に付くくらいかがめてやると排泄しやすくなる。
逆に言えば、急な便意を催した場合には、腹痛に耐えかねて屈んでしまうと漏らしやすくなるので、背筋をピッと伸ばしてお能のように摺り足で歩くと良い。
でも、ようやくトイレに辿り着いて気を緩めてはいけない。
下を脱ぐときに腰をかがめると悲劇になるので、背筋を伸ばしたまま脱ぐように気をつけよう。
お客様が当初は風邪薬を見ていて、それから10歳の子供が喉の痛みと鼻づまりに少し咳があるとの相談を受けた。
3日前からとのことで、喉から鼻は繋がっているため、一番つらいと感じる症状から対処すれば、他の症状の一緒に改善することをお話して、『銀翹散』の他に『ストナ去痰カプセル』を案内した。
喉への対処を優先し、粉は苦手かもとのことだったが「飲ませてみます」と言って『銀翹散』を購入された。
ただ、ヒアリングしてる中で、なんとお客様は「いけない」と知りつつ、イブプロフェン製剤の『リングルアイビー』を飲ませたそうだ。
風邪薬に飛びつかずに、咽頭痛に解熱鎮痛剤を使うのは良い方法なれど、年齢制限は守っていただきたい(^_^;)
年齢制限は、単純に錠剤が大きくて飲みにくいからという程度のものもあれば、鎮痛剤のように脳への影響が考えられるような薬理作用に基いて設けられていることもあるから、決して自己判断してはいけません。
喉や鼻の調子が悪い時には、繋がっている胃の状態も良くないと考えられるため、食事に気をつけるようにお話すると、本人は自分でおかゆを作って食べているそうで、入浴もしてるというため「良い対応されています」と伝えた。