お客様が『ボーコレン』(五淋散)と『ドリエル』を購入されるので、どちらも使用経験があるか尋ねるたところ、使ったことはあるとのことだった。
念のため、『五淋散』と『猪苓湯』と『竜胆瀉肝湯』との比較を説明したのだが、状況については教えてもらえなかった。
小林製薬のネーミングセンスは秀逸で、漢方薬を一般に広める効果は素晴らしいものの、『ボーコレン』に採用されている『五淋散』は疲労が原因に思い当たる場合に適応し、膀胱炎には『猪苓湯』の方が効果を感じやすい。
というのも漢方薬は、生薬の種類が少ないほうがシャープに効いて、炎症を抑えたり機能を補ったりといった生薬が増えるほど効き目が穏やかになっていく。
一方、『竜胆瀉肝湯』は生薬の種類が多いのだが、炎症を抑える物が重ねられており、排尿時に灼熱感があったり下腹部の筋肉が張っている場合に向いている。
『ドリエル』は寝付きの悪さを改善するための睡眠補助剤で、もし不眠だとしても一時的に用いる物であり、3日も続けたら飲み過ぎと思ったほうが安全。
そして同じ不眠でも、寝付くのに時間がかかるのは肝、寝てもウツラウツラと意識がある浅眠は脾胃(消化器官)、途中で目が醒めると眠れなくなるのは腎、というように身体機能との関わりを考慮する必要がある。
だから、『ドリエル』の用途についても確認したかったのだけれど、やはり教えてはもらえなかった。
使い慣れてるから、いつも使ってるから、ということで答えたくなかったのかもしれないけど。
もちろん、私より詳しいという可能性もある。
ただ、良く分からないまま使い続けてるとか、病院に行ったことはあるものの通院が面倒で市販薬に乗り換えてそのままという人もいて、それは話しかけてみないと分からないから自動販売機になる訳にもいかない。
お客様から、頼まれ物とのことでスマホの画面を見せられた画像が『ムヒAZ錠』だったため売り場を案内したけれど、患者の症状や用途は分からないとのことだった。
他に持病や使ってる薬があるか尋ねるとやはり分からないそうで、「何か問題あるの?」と質問されたため、「問題があるかどうかを調べる必要があります」と答えた。
うーむ、そんなに不思議に思うことなのか。
不思議だ(´ヘ`;)
一応は、前に使ったことがあるというのでお買い上げいただいたけれど、成分表示をお薬手帳に貼っておくよう勧めた。
蕁麻疹なんかで使っている場合、病院からもアレルギー薬が処方されるはずで、薬は効き目以前に相性が大事だから、使った市販薬の情報は医師に伝えたほうが良い。
お客様には、市販薬を買うさいに「誰が」「いつから」「どんな症状」「他に使った薬」「持病やアレルギー」といった5つの項目が最低限必要なことをお話して、自身が人に頼む場合にも伝えるようお願いした。