幼児を連れたお客様から、子供でも使える虫刺されの薬をとの注文を受けたれど、特に年齢制限はありませんと答えたうえで、メントールの刺激を避けるなら液剤よりクリーム剤なら感じにくいことを説明した。
メントールにはメーントールの意味があって、単にスッとする清涼感のために入ってる訳ではなく、人間の痛覚神経が痛みより先に冷感を感知するようになっていて、弱い痛みの痒さを誤魔化すことができるから。
冷たさに敏感なのは、寒さのほうが命の危険度が高いのが理由と考えられる。
それはともかく、あまり弱い薬を使って患部を掻き崩して化膿したりするほうが良くないこともお話しすると、家に『液体ムヒS』があると分かり、ステロイド剤が入っている強めの薬で効果が高いことを伝えた。
同じくステロイド剤入りで、メントールの刺激の少ない『ムヒアルファS2』を案内してみたが、ステロイド剤の入っていない物を希望されたので、局所麻酔入りの液剤である『プチウナ』をお買い上げいただいた。
ちなみに、『プチウナ』と同じく小さくて持ち運びに便利な液剤の『ポケムヒ』には局所麻酔が入っていない分だけ、痒み止めととしては少し弱い。
お客様には、虫除けスプレーは体に吹き付けるだけではなく、掌に出して塗ったほうが効果的なことを伝えた。
主成分として多く使われてるディートやイカリジンは、薬剤の臭いで虫が避けるんじゃなくて、虫の感覚器官を狂わせて人間が見えないようにする働きがあるので、特に服から出ている部分に塗らないと、そこが虫に見えてしまう。
お客様が店内をウロウロしていたので気にかけていたところ、ようやく「リアップありませんか?」と尋ねてもらえたので、第1類医薬品の『リアップ』は薬剤師のいないお店では取り扱っていないことと、薬剤師のいる店でも勤務中にしか販売してもらえないことを説明した。
そして使うとなれば、ケチって使用量を節約すると効果が現れず無駄になることと、使用をやめると元に戻ってしまうことをお話した。
一度使い始めたら継続しなければならないことからすると、年間に約20万円以上はかかるため、専門の病院を受診したり、カツラやウイッグなどの検討も必要と伝えた。
お客様が乗り物酔いの棚で迷っていて、レジに持ってきたのが『センパアプチベリー』だったので、比較的眠くなりやすいことを伝えると中学生の子供が部活の大会でバスに乗るというため、少しでも認知機能を落とさないよう『センパァQTジュニア』を提案し変更となった。
ただ、本当にベストコンディションで臨むことを考えれば、水分代謝を調整して三半規管の異常を軽減する『苓桂朮甘湯』の方が良いのだけれど、本人が漢方薬を望むか分からないから案内できなかった。
合わせて乗り物酔い対策のお話をしようと思ったら、その子のニキビの相談をされ、何か市販薬を使っていたというものの覚えておらず、赤みが強いようなので『クレアラシル』を案内し、一緒にお買い上げいただいた。
本人は病院に行きたがらないとのことだったけれど、その理由が「親と一緒に出かけるのを嫌がる年頃だから」というため、一人で行かせても良いのではとお話をした。
病院に行って人に相談することに慣れるのも大事と伝え、内服薬の『清上防風湯』を紹介し、本人にネットで調べさせてみるよう勧めた。
ネットで調べるといっても、使用した人の感想ではなく、生薬についての解説も書いてあるページが良いことを付け加えた。
詰め込みになってしまうから伝えられなかった乗り物酔い対策は、乗る前の食事は温かい物にして、乗ったときのためには冷たい飲み物を用意しておくことである。
腸が体温より低い物を受け付けないから、食事を軽くしようとして果物などを選んでしまうと、温まるまで胃に長く取っておくことになってしまうので、温かいスープなどにした方が早く腸に送られて胃が軽くなる。
一方、冷たい物を飲むと胃の働きが悪くなり、悪くなれば吐こうとする力も弱まるのを利用するために、氷を入れてキンキンに冷えた飲み物を水筒に用意しておくと良い。