親子と思われるお客様が除菌スプレーを見ていたので声をかけたところ、家の棚のカビ取りに消毒用アルコールを使う方法をネットで見たようだった。
カビの状態が酷いようであれば、塩素系の漂白剤を原液のままキッチンペーパーに染み込ませて数時間はカビの目立つ場所に当てておき、その後に消毒用アルコールで拭く方法もあることを教えた。
すると、「消毒用アルコール」と「消毒用エタノール」との違いを質問をされ、「無印」と「IP」、「医薬品」と「指定医薬部外品」についても訊かれたため説明した。
アルコールが大きなくくりで、エタノールは別名を「エチルアルコール」と言って、アルコールの種類の一つ。
ちなみに工業用の「メチルアルコール」の方は毒性が強く、飲むと失明するとこから「目散る」と覚えると分かりやすい。
そこから分かるように、無印の消毒用アルコールの方は飲めてしまうため酒税が掛かっており、イソプロパノールという有毒性の添加物を加えて飲めなくした消毒用アルコールIPは酒税が掛かるない分だけ価格が安い。
厳密に使い分けるとすれば、口にする物の消毒には無印を用いて、その他はIPをということになるものの、ゴクゴクと飲む訳では無いから安いIPを全般的に使用しても良いだろう。
そして、医薬品とは主に「治療や予防」を目的にに用いられる物で、指定医薬部外品の方は「もともと医薬品だった物」から「人体に対する作用がおだやかなもの」が規制緩和により区分が移行され、「予防や衛生」を目的にしている。
栄養ドリンクで指定医薬部外品の物は、疲労などを「予防する」と解釈することができるだろう。
そういう意味では、すでに疲労しているときには医薬品の方を選んだほうが良いとも言える。
また、「医薬部外品」には化粧品や歯磨き粉などがあり、例えば手荒れにハンドクリームを使っている人がいるが、すでに症状として明確に現われているようなら、やはり医薬品を選択する必要があるから店頭で相談してもらいたい。
今回のお客様は『消毒用エタノールIP』をお買い上げになり、「消毒」と「除菌」の表記によって信頼度が違うことも伝えた。
「消毒」あるいは「殺菌」と表記するためには、厚生労働省の認可を受けなければならず、認可が受けられないか申請の手間とお金を惜しんでいるか、直接的に人体に使用しない物が「除菌」とか「洗浄」といった他の用語を使っている。
「消毒」や「殺菌」と書いていないから中身が怪しい物とは断定できないものの、書いてあれば一定の信頼あるのも事実。
外国製品を嫌い、国産にこだわる人がいるが、認可を受けた外国製品と無認可の国産との比較なら、やはり認可を受けた外国産のほうが信用できるだろう。
子供を連れたお客様が店頭に一個しか出していない『タイレノール』と『バファリンルナJ』を一緒に購入されるので、後者は子供が使うのか尋ねると言い淀まれた。
どちらも同じアセトアミノフェン製剤で、新型コロナウイルスが騒がれだした当初に、この成分じゃないと駄目などという無責任な言説がマスコミに流され買い占めが起こり品不足に陥ってしまった。
ま、お一人様1種類につき1個ではあるから販売はするけれど、本当にアセトアミノフェン以外は使えないという体質の人もいるから、他の選択肢があるか以前に使ったことのある解熱鎮痛剤があれば、控えてもらいたいところ。
お客様には、ワクチン接種による副反応での発熱に用いる場合には、抗体を作るのは目的だから薬を用意するより、薬を使ったほうが良いか判断を仰ぐ医者や調剤薬局を探しておくことが大事と伝えた。
特に、調剤薬局は病院から発行された処方箋を持って薬を受け取るところ、とだけと思い込んでる人が多いが、病院を受診せずとも相談できる施設だというのは覚えておいてもらいたい。
相談する先を備えておかないから、流言飛語に惑わされてパニック買いに走ることとなる。