鼻炎が起きたら、さっさと食事を胃に優しいメニューに切り替えちゃいましょう

 お客様から風邪薬を求められたけれど、当初は鼻水のみという話だったため鼻炎薬を提案したところ、患者は奥さんとのことで電話をかけ始めた。
 奥さんとの電話を終えて戻ってくると、すでに『ルルアタックEX』を使っていたとのことでレジに持ってきたため、咳が激しい場合に適応すると説明したら、症状は鼻水と喉の痛みというので鼻炎薬にも喉の効能があることをお話した。
 『パブロン鼻炎カプセルSα』をお買い上げただき、鼻の症状は胃の不具合も関係するため、食事を消化に良いメニュー切り替えるよう勧めた。
 胃から喉を通って鼻につながっているから、胃が冷えたり疲れていると鼻水が、胃炎を起こしていると鼻の奥の血管までも炎症して鼻づまりを起こすのだ。
 鼻がおかしいからと食事を変える人は少ないと思われるが、早い段階で寝込んだときのように対応すれば症状の改善は早くなる。

 お客様が『正露丸』を見ていたので気にかけていたところ、レジに持ってきたのが『セイロガン糖衣A錠』だったので違いを伝えると、「生薬少ないの?」と質問を受けた。
 そう、『正露丸』には5つの生薬が入っているが、甘くコーティングした『セイロガン糖衣A錠』は、お腹の張りを軽減する陳皮(ちんぴ)と炎症を散らす甘草(かんぞう)を抜いてあり、シクシクとした腹痛などを伴っている場合への効き方が弱いと考えられる
 抜いてある理由は分からないが、生薬というのは芳香が効き目でもあるため、コーティングすると意味が無いということなのかもしれない。
 お客様には、腸にも味覚と嗅覚があり、あの独特の匂いも『正露丸』効果のうちと説明をしたうえで、そのまま『セイロガン糖衣A錠』をお買い上げいただいた。
「ちょっとした下痢は抑えない方が良いと思って」と言われたので「良い判断だと思います」と答えた。
 大幸薬品の『正露丸』には、ピタリと下痢を止めるような成分は入っていない。
 『正露丸』は整腸作用と消毒作用により症状を軽減してくれ、食中りの下痢の場合、原因となっている悪いモノは早く体外に排出した方が良いからだ。

 店内をあちらこちらへと歩き回っていたお客様から胃薬を尋ねられ、売り場を案内しながらヒアリングすると、患者はご主人で胃もたれにいつもは『キャベジンコーワα』を使っているとのお話だった。
 しかし血圧の薬や鼻炎薬との併用に気をつけるよう伝えると、何か花粉症の薬を飲んでいるらしいので『スクラート胃腸薬S』と、お酒を飲むとのことから『タナベ胃腸薬ウルソ』を案内した。
 高血圧の場合、ナトリウムの入っている胃薬は避けたほうが良い。
 また、一部のアレルギー薬とマグネシウムやカルシウムなどのミネラル分が入った胃薬を併用すると、アレルギー薬の効き目を落としてしまうことがある。
 昔ながらの『キャベジンコーワα』のような総合胃腸薬は、成分の種類が多すぎて他の薬との飲み合わせや持病への影響などを考えるのが難しいんである。
 今回は『スクラート胃腸薬S』を購入され、お湯と水のどちらを飲むと症状が楽になるかの鑑別方法を教えたけれど、急いでる様子で帰られた。
 店内をウロウロと探し回っていたので、時間があるのかと思ったのだが。
 今回の『スクラート胃腸薬S』が向くのは、お湯を飲むと楽になるタイプで、温まって血流が良くなると症状が改善するのは胃が冷えていたり疲れているから。
 同じシリーズの無印である『スクラート胃腸薬』は、冷たい水を飲むと楽になる場合に適しており、冷えて楽になるということは、胃炎を起こしているか胃熱を抱えていると考えられる。

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