お客様から『葛根湯』の質問を受け、風邪の初期の状態のことや、上半身を温めるので適応する症状と合わない症状のお話をしたところ、患者は8歳の子供で微熱と喉の痛みとのことだった。
『葛根湯』が適応する「風邪の初期」というのは、すでに何かしら症状が現れていたら遅く、「悪寒がした…気がする」とか「頭が重い…かな?」といった段階のこと。
もし発熱してしまっていたら、「風邪の中期」として『麻黄湯』を使い、熱が下がってきたら体力の低下を補うために『柴胡桂枝湯』の出番となる。
そして、今回のように喉が痛む場合はもちろん、咳があるようだと上半身を温めることにより症状を悪化させてしまうため、反対に反対に上半身を冷やす『銀翹散』を紹介し、熱と痛みは同じ神経が司っているので『バファリンルナJ』も候補になることをお話したところ、明日には病院に連れて行くというため今日は何も余計なことをしないというのも選択肢と伝えた。
それから、消化にもエネルギーを使うので食事は消化しやすく軽い物をとお話してドリンクゼリーを案内すると そちらを購入された。
本人が元気そうな様子であれば、自分で熱を出すより入浴した方が良いことと勧め、念のために地元の医療情報センターの電話番号をお知らせした。
医療情報センターは24時間体制で電話を受け付けていて、その時間帯に救急医療の受け入れをしている病院の紹介や、症状をヒアリングしての受診の可否などアドバイスをしてもらえる。
地域によっては同様の対応をしているはずなので、行政の広報誌やホームページを確認しておくと良いだろう。
子供を連れたお客様が『熱さまシート』を2個購入されるのでヒアリングしたところ、乳腺炎になりそうな時に使っているとのことだった。
実際に炎症した場合には冷やすよう伝えたけれど、氷水を当てるわけにもいかないだろうし、良い方法が思いつかなかった(´・ω・`)
お客様が『冷えピタ』を購入されるさいにヒアリングすると、患者は奥さんで、熱い感じがすると本人は言っているものの熱は測っていないというため、38度を超えるようだったら氷枕を使うように伝えた。
また、こまめな水分補給の具体的なお話をした。
いわゆる冷却ジェルシートは医薬品ではないから情報提供する義務は無いのだけれど、思わぬ使い方をする人はいるし、効果を勘違いしてる人も多いと思う。
『熱さまシート』のパッケージに小さく書いてある説明によれば、冷却試験の内容は「室内で額に貼り付け、通常の皮ふ温度より低い(25℃環境で2℃)」という。
室温が25度なんて、夏場ならそもそも涼しい環境で、熱中症対策にも発熱時の解熱にも役に立ちそうにない。
冷却シートに解熱効果が無いとする論文も出ているから、なんだか『クレベリン』の「空間除菌」並みに怪しい。
消費者庁に怒られないのは、「体温を下げる」といった直接的な文言が書いていないからだろう。
まぁ、涼しい気分になるとか、気持ち良い感じがするというのは心の問題で、「病は気から」と考えれば悪くはないという考え方もある。
ところが、これらの冷却ジェルシートを火傷や捻挫などに使う人がいるから油断できず、声をかけて用途を確認しなければならないという次第。
そして発熱時や熱中症対策には、こまめな水分補給が大事なのだが、この「こまめ」というのは30~60分ごとと考えてもらうと良い。
人間の腸は短時間に吸収できる水の量が決まっており、喉が渇いたときだけゴクゴクと飲んでも、吸収できない分は排泄されて身体を巡らないのだ。
年齢や体格にもよるが、目安としては100mLを一回量として飲めば、ちゃんと吸収して体に行き渡る。
喉の乾きとは関係無く、時計を確認しながら意識して水分補給してもらいたい。