咳と痰の相談を受けたのだけれど、症状は3週間ほど前からで、『パブロン』を服用していたそう。
ただ、『パブロン』シリーズの何だったかは覚えいないという。
同じ名前でも、いや同じシリーズだからこそ別な成分構成の商品が存在する訳であり、しかも改善していないというのだから、使っていた物の特定というのは重要な情報。
いちいち覚えていられないというのは良く分かるから、せめて現物かパッケージを持参するか、カメラ付き携帯電話が普及してからすでに15年以上は経過しているので、活用してもらいたい。
今回のお客様の場合、発熱などは無く、咳と痰だけだった様子のため、そもそも風邪だったのかからして不明。
風邪でなかったとすれば、風邪薬を使用していたのが誤りで、効果が無かったのに使い続けたのは不思議でならない。
一方、痰に黄色味があるというお話からすると、ウイルスが介在していたとは考えられる。
実のところ、医療従事者にできることは「治療」ではなく、「治る確率を上げる」だけ。
相談されたから必ず治せるという訳でもない。
一種のギャンブルと言ったら言い過ぎかもしれないけど、それだけに何も参考にせずに薬を選ぶのは難しいはずなので、競馬新聞やパチスロ必勝法を参考にする程度には、相談して欲しいところ。
いずれにしろ、どの『パブロン』を服用したとしても、体内の乾燥は確実だろうから『麦門冬湯』を案内した。
すると、小学生の息子さんも咳をしていて、夜中に咳き込んでいるという話が出た。
息子さんの場合は、お客様とは咳の性質が違うと判断し、患部を冷やしつつ熱を発散する『五虎湯』を勧めた。
それでも、養生については同じで、体の中、特に下半身を温めるのが大事。
体の中で起きているのは、気温が冷え込んできたため、体の方は自分を温めようと頑張って、でも人間の体は機械ではないから、適した場所を適温に調整するのは難しく、その熱の偏りで上半身が乾燥したり熱が篭ったりしていると考えられる。
という事は、体の中を温めてあげれば、体の方は自分で無理して頑張るのをやめて落ち着く。
そんなお話をして、『麦門冬湯』と『五虎湯』の両方をお買い上げ頂いた。
若い女性のお客様が、『新キャベジンコーワS』をレジに持ってきた。
胃薬というは、解熱鎮痛剤以上に適応が難しいので、念のため症状を尋ねてみると、5日ほど前の飲み会で飲み過ぎてから吐き気が治まらず、特に朝の調子が悪くて何も食べられないうえ、落ち着いてくる昼に食べると、また気持ち悪くなる状況だという。
うむぅ、胃が働いていないのは明らか。
『新キャベジンコーワS』では、力不足じゃないかな。
『太田胃散』と『大正漢方胃腸薬』を案内してみたけど、もう少し詳しく症状を訊いてみると、胃の痛みは無い一方でストレスが思い当たるという話が出た。
どうも会社が体育会系のノリらしく、飲み会はもちろん、日頃の仕事からして力押しの雰囲気なんだとか。
ああ、それはもう『四逆散』の入っている『大正漢方胃腸薬 爽和』か、『安中散加茯苓』の『リフレライフ』の出番ですね。
今回は、『リフレライフ』を購入された。
あと、飲み会に参加する前に、コンビニで温かいお茶を買って飲んでおくように勧めた。
スポーツをする前には、準備運動が必要なように、飲み会の前に胃に準備運動をさせるがごとく。
3週間は異常です。危険ですよ。