親心は良いんだけど……

 お客様から、手荒れに使う物をと頼まれたので皮膚の薬の棚を案内したけど、「コレじゃない」というのでハンドケアの棚の方を案内すると、しばらくして戻ってきて、「やっぱり薬がいい」と相談された。
 そこで、『ケラチナミンコーワW』を勧めてみたけど、反応は鈍め。
 痒みは無いそうで、ご本人は「保湿だけできれば充分」と思われているようだった。
 でも、皮膚の材料は血液で運ばれる訳だけど、材料が届くのが滞って、皮膚が壊れていくのに追いつかなくなるのが手荒れなので、表面から保湿するだけでは不十分なのだ。
 そのため、皮膚の再生には血行が大事なことを説明すると、お買い上げ頂けた。
 

 やや高齢のお客様が、成人の息子さんの頭痛薬をと来店された。
 いつもは『バファリン』を使っているそうで、『バファリンプレミアム』との違いを質問された。
 とりあえず、市販の薬の名前はプランド名みたいな物で、同じ名前を冠していても、成分からして別物であることを説明した。
 そして症状について尋ねてみたら、息子さんから頼まれたという訳では無く、いつも使っているから買っておいてあげようと思ったようで、詳しくは分からない様子。
 親心は分かりますが、子供にお菓子を買ってあげるんじゃないんで、そこは確認しておいて下さいな。
 それと、慢性の頭痛を「いつものこと」と思っていると、重大な病気を見逃してしまう可能性もあるため、本人自身での購入が望ましいことを、お話した。
 体格とか肌の色とか、観察して分かる事もありますので。
 でも、何がしか買って帰りたいらしく、『バファリンプレミアム』を購入された。
 開封前でしたら返金しますから、息子さんに使うか確認して下さいませm(_ _)m

 いつもは咳止めに『アネトン咳止め』を使っているというお客様から、強い薬は避けたいという相談されたため、最初の候補として体内の乾燥を取り除く『麦門冬湯』を紹介した。
 そのうえで症状を詳しく尋ねてみると、夜中に咳き込むというので『五虎湯』を案内してみると、実は以前には病院で吸入器を処方されたことがあり、喉のつかえ感も感じると分かった。
 となると、神経性の咳と考えられるため『半夏厚朴湯』を候補に加えた。
 今回は、『五虎湯』を試してみるとのことでお買い上げ頂いたけれど、季節の変わり目に咳になるというから、やはり『半夏厚朴湯』は外せないように思える。
 近所に漢方薬に詳しい医院があるから、そちらで相談してみるよう勧めた。

 口内炎の薬を求めて来店したお客様、軟膏やパッチより内服薬を希望されたものの、漢方薬の『半夏瀉心湯』を除くと、うちの店にあるのは『トラフル錠』だけで、直前にまとめ買いされて欠品してしまったところ。
 一応、その「まとめ買いしたお客様」には、胃が不調の原因の可能性を話してはおいたんだけど。
 という訳で、今回のお客様にも神経性胃炎が関係している事をお話して、『半夏瀉心湯』を勧めてみた。
 そもそも、『トラフル錠』の内容は、喉の痛み止めと同じだし。
 炎症は抑えるけれど、それは治すことと同義ではない。
 すると、『チョコラBB』について訊かれたので、炎症を抑える効能は無いものの、皮膚の材料になることを説明したら、『チョコラBB』だけ購入された。
 あれ(^_^;)?

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