やや高齢のお客様から、腹痛と下痢の相談を受けた。
食べると起きるとのことで、本人はしきりに「脂の吸収が悪いからなのよ」と言われるが、本当のところは分からない。
ただ、どうしてその考えに至ったのか、どうして固執するのかなどを読み取らないと対応を誤る。
痛くなるのはお臍の周りだそうで、しかし下痢は水様便ではないというお話から、まず『桂枝加芍薬湯』を候補にした。
それから、神経質そうであるため『柴胡桂枝湯』も候補にしてみた。
そのうえで整腸剤について話を振ってみると、『ビオフェルミン』や『ザ・ガード』といった乳酸菌系は試してみて駄目だったそう。
実のところ薬が効果を発揮するかどうかは、薬側の薬効だけではなく、受け取る体側との相性も関係するため、乗り換えていくということも考慮しないといけない。
しかしそれについては、「お金が無いから安く済ませたい」と要望された。
ううむ、お金のことを出されると私も貧乏なんで、考慮したいところですが……。
下痢が酷くないという前提で、ちょうど期間限定で値引特価になっている『大正漢方胃腸薬』を案内して、お買い上げ頂いた。
まぁ、以前にあったみたいに、抗菌目薬を買いに来たはずなのに、お店の会員ポイントが多く付くからという理由で疲れ目の目薬を買おうとしたお客様の事例よりは、適応が近いだけマシな選択だった……と思いたいσ(^◇^;)。
鎮痛剤の棚を長く眺めているお客様がいらしたので声を掛けたところ、中学生の娘さんの生理痛に使う物を探しに来たそうで、大人用の物はどれも15歳未満は不可となっているため、2ヶ月差でも駄目なのか相談された。
これは案外と難しい話で、じゃあ1日差ならどうかという話にもなる。
大事なのは当然、原則に従うこと。
しかしその原理、不可の理由については考えなければならない。
例えば鎮痛剤の場合は神経に作用し、一説には脳細胞は神経細胞の集合体であるため脳への影響が懸念される。
また、薬効成分は肝臓で代謝されて、腎臓を通して排泄するので、その過程で負荷がかかるから、その負荷に耐えられる機能が備わっているかが大事。
つまり、単純に体重や外見上の成長ではなく、体の各部の発育状態が鍵となる。
まぁ、中には成分的には安全なんだけど、誤嚥の可能性がある錠剤は適応年齢が高めに設定されて、同成分内容の顆粒の方は適応年齢が低いという物もある。
だけどお客様の中には本当に、「量を少なくすれば大丈夫でしょ」と考えている人がいるため、「ダメ。ゼッタイ。」と言っておかなければならない。
要するに、馬鹿に合わせておかないと……ゲフンゲフン((( +д+))o=3=3
とりあえず今回は、成長の仕方はそれぞれのため絶対に駄目とは言い切れないものの、安全を優先するようお話して、『バファリンルナJ』を案内した。
15歳以下に使える鎮痛剤の主成分は、市販ではほぼアセトアミノフェンの一択しか無いため、児童向けの商品をいくら見較べても実は同じ中身なんである。
一方、受験期のため眠くならないか心配されたので、アセトアミノフェンで眠くなることは稀だと説明した。
一応は眠くならない事になってるんだけど、神経に作用するから全く無いとは限らず、薬効的には眠くならないとしても、痛みが緩和して気分が安らぐと眠気を催す可能性はあるため、正確を期すと曖昧な表現にならざるを得ない。
ただ、詳しくお話を聞く中で、娘さんが生理痛を訴えたのは初めてというのが気に掛かった。
それはやはり、受験によるストレスの影響なのではないかと。
そのため、ストレイの軽減と生理痛の両方に使えて、そのうえ眠くなる成分も入っていない『当帰芍薬散』を紹介してみた。
当帰は血の巡りを良くしますから当然頭の働きの助けになりますし、芍薬は昔から「立てば芍薬」と言って、本来の意味は立つ姿が芍薬の花のような美しさという例えですが、漢方では「気が立った時に落ち着かせる効果がある」とされています。
そして、『当帰芍薬散』を主体にして服用し、痛みが軽減しない時に『バファリンルナJ』を併用するよう提案してみたら、両方をお買い上げ頂けた。
良い結果を、お祈りしています(´∀`*)ノシ